すごいゴミのはなし ゴミ清掃員、10年間やってみた。

文:滝沢秀一
イラスト:スケラッコ 萩原まお
発行所:学研プラス
発行年月:2022年7月(第1刷)

出版社からの内容紹介:
土の入った電子レンジ、大量の人形やキノコ料理!?
だれが、なぜすてたのか……ゴミの世界はおくぶかい。
現役ゴミ清掃員で、お笑い芸人でもある滝沢さんが「ゴミ」の回収エピソードや、いま起きている問題を、現場から楽しく分かりやすく紹介。
「ゴミこぼれ話」やゴミ清掃車の図解、4コマにクイズなど、コラムも充実……!
イラストや図、写真も豊富に入っています。

無関係な人などいない、身近な「ゴミ」のウラを知るうちに、これからの社会のあるべき未来がみえてくる。
全小学生必読の一冊!

随感随筆:
 最近、SDGsという言葉をよく見聞きしますが、その関連書籍の内容はどうしても理論的であったり理想論だったりして、いわゆる教科書的なものにとどまっているように思います。そんな中、この本は、実際にゴミ処理の現場で働いている著者が、その体験の中で感じたことや思ったこと考えたことを子どもたちにわかりやすく伝えています。
 「ゴミのすて方、ゴミの量、ゴミの中身というのは、その人自身を表現している。」「ぼくらの世界では資源ゴミっていうとおこられる。資源であって、ゴミじゃない。」「お米や野菜などはほかのゴミとまじって、ゴミまみれになり、やがて本当のゴミになってしまう。」「ゴミとして生まれてきた物はこの世に一個もない。」「人の気分で物はゴミとなる。」
・・・などなど。いずれも実体験の中から滲(にじ)み出てくる思いや感情であるように思います。
そして、
「ゴミとは人の心だ」
という言葉には思わずドキッとしてしまいました。
 これからの社会はゴミ問題を抜きにしては考えられないにもかかわらず、「クサイ物には蓋」をしてしまって生活をしている自分がいます。一人一人の心がけだけでは解決できない問題だと思いますので、わたしたち大人がこの問題の解決策を社会全体として見つけ出していくことが求められているように思いました。
 全小学生必読の一冊!と紹介されていますが、わたしたち大人こそ、そして、社会において責任ある地位や立場にいる人たちこそ、読むべき本だと思います。

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