「雲」について

 四字熟語「富貴浮雲」の「雲」について調べました。

 読みは、音読みが「ウン」、訓読みは「くも」です。
 意味については、今回『新漢語林 第二版』を参考にしました。
①くも。水蒸気が凝結した水滴・氷晶のかたまりが空に浮かんでいるもの。
②しめりけ。湿気。
③雲のような。
 ㋐さかんなさまの形容。また、多いさまの形容。
 ㋑高いさまの形容。また、遠いさまの形容。
 ㋒すぐれているさまの形容。
 ㋓美しいさまの形容。
 基本的には①の意味ですが、③のように「雲」はわたしたちの想像力をかきたてる存在であるように思います。

 では、「雲」の組み合わせを確認します。
「雲」=「云(ウン、いーう)」+「雨」

「あれっ?、雨+云じゃないの?」と思うかもしれません。一般的には「雨+云」という順序だろうとは思いますが、成り立ちを理解する上で、あえて、反対にしました。
 というのも、「くも」は元々「云」だけでした。「云」の一番古い(と思われる)字形を見てください。

 漢数字の「二」に見える字形は「うえ(上)」を表わしているとも言われますが、この場合は「テン(天)」という理解でいいと思います。
 その下にクルッと巻いているものが「くも」を表わしているという見方が一般的ですが、白川静氏によると、”云は雲の流れる下に、竜の捲(ま)いている尾が少し現れている形”とのことです。どちらが正しいのかはわかりませんが、いずれにしても「云」全体は「くも(雲)」を表わしているということだろうと思います。
 ちなみに、これはわたしのいつもの勝手な推測ですが、この古い字形は、天から雲が降りてきているが地面には落ちてこない、ということを表わそうとしたのではないかと思います。

 そして、時代が移り変わる中で「云」に「雨」を加えて「くも(雲)」とし、「云」は「言う」という意味に使われるようになりました。

 ではなぜ「云」が「言う」の意味になったかですが、わたしが調べたかぎりでは「借りて、言うの意味に用いる」という解説がほとんどでした。その中で『漢字源 改訂第五版』では次のように解説されています。

 ”象形。息や空気が曲折してたちあがるさまを示す。もと、口の中に息がとぐろを巻いて口ごもること。雲(もくもくとあがる水気)の原字。”

 う~ん、「言う」という意味につながる解説ではありますが、どうも今ひとつ納得できません。

 それでわたしなりに、なぜ「云」に「言う」という意味が当てられたのかを考えてみました。単純な発想だとは思いますが、

 冬の寒い時期に吐く息が雲のように見えたから

ではないかと思います。そして、この発想に関連する記事がありましたので、紹介します。

 ”雲をつくる実験
小規模なものであれば、雲を製造することは容易であり、理科の実験や身近にできる科学実験として、広く行われている。 ~中略~ 熱湯から立ち上る「湯気」、ドライアイスや氷から流れ落ちるような白い冷気、冬の寒い日に白くなる吐いた息、工場や排気などから出る白い蒸気なども、人工的に作ることができる雲だといえる。” 『Wikipediaー雲ー』より

 以上で、「雲」についてを終わります。

*参考資料
『「雲」のはなし:かんじのはなし』yumemivision
https://yumemivision.blog.jp/archives/12018654.html
『Wikipediaー雲ー』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%B2
『漢字コラム17「雲」渦を巻いて立ち上がる』前田安正、kanji café(漢字カフェ)、公益財団法人 日本漢字能力検定協会(漢検協会)
https://www.kanjicafe.jp/detail/7104.html
『コトバンクー雲ー』
https://kotobank.jp/word/%E9%9B%B2-56087


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