唖:漢検準1級

「唖然」という漢字を見てもすぐにはその表現が思い浮かばないかもしれないが、
・あぜんとする、あぜんとした
・あぜんとして言葉も出ない
と聞くと、よく使う表現。

意味は、「驚きあきれて口もきけないさま」。

唖は「口+亜」。亜(亞)は、古代の墓を上からみた象形文字であることから、お墓の前で驚き悲しんで声も出ない、という意味合いではないかと思う。

カラスの鳴き声という意味もあって、それは、古来、カラスが騒いだり異様な声で鳴いたりすると、その近くに亡くなった人がいると信じられていたことによるのかもしれない。

いずれにしても、良い意味に使うのは不適切であることから、
・あまりの美しさにあぜんとした。
というふうには使わない。

「唖然」は、「あぜん」のほか、「あくぜん」とも読み、この場合は、「大声で笑う」という意味になる。
意味を使い分けるために、違う読み方にしたのだと思うが、お墓の前で大声で笑うことは失礼にあたるので、「あく=悪」という読みなのかもしれない。したがって、「あくぜん」という表現も、良い意味で大声で笑うという意味合いではないと思う。

*唖は、本来、「口+亞」だが、パソコンやスマホの種類など、見る側の環境によって文字化けしてしまう可能性があるため、慣用字体「唖」で表記。

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