そらいろ男爵

文:ジル・ボム
絵:ティエリー・デデュー
訳:中島さおり
発行所:主婦の友社
発行年月:2015(平成27)年8月

出版社からの内容紹介:
お手製の青い複葉機にのり、バードウォッチングを楽しんでいた「そらいろ男爵」ですが、戦争が起こり、お気に入りの飛行機を迷彩色にぬりかえて、戦いに参加せざるをえなくなります。最初は、爆弾のかわりに打撃力のある12巻の百科事典を使い、一個大隊を撃破。でも、戦争はつづきます。旅行記や料理書、哲学書、天文書に歴史小説、男爵は大好きな『本』をどんどん投下します。本を拾った将軍や兵士たちは、それぞれ本に夢中になり、戦いへの意欲がなくなってしまいます。そして、男爵が戦争を終わらせるために最後に投下したものは……。2014年に第1次大戦開始100年を記念して刊行され、フランスで児童書に贈られるサンテグジュペリ賞を受賞した良質の絵本。日本でも終戦後70年になる2015年に、平和をもたらす『本の力』『ことばの力』をわかりやすく伝える貴重な一冊。小学生から大人まで、幅広い年齢のかたに楽しんでいただける内容です。

随感随筆:
戦争という重いテーマですが、敢えてそのようなテーマにすることによって、本の力であったり、言葉の持つ力を強く印象づける内容になっていると思います。そして、武器ではなく、言葉によって戦争をやめさせることができるんだという、力強いメッセージを持った絵本だと思いました。

そらいろ男爵という一風変わった名前ですが、自然と平和を愛し、空と一体化することによって、まるで鳥になったような気分を味わいたいという主人公にぴったりの名前だと思います。

この絵本の文を書いたジル・ボムさんという方は、小学校で教えながら、子どものための物語を書いている方なんだそうです。どうりで、わかりやすい内容だなあと納得しました。ただ、「戦争はしてはいけない。平和は尊い。」とだけ繰り返し述べても、子どもたちは、「なぜ?どうして?」と思うかもしれませんが、この絵本を読み終えたときにはきっとその答えを見つけることができると思います。

この絵本に登場する長編小説。わたしも読んでみたくなりました。

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