さく・え:片山 健
発行所:農山漁村文化協会(農文協)
発行年月:2009年2月(第1刷)、2010年4月(第2刷)
出版社からの内容紹介:
つきることなく湧いていた水がめさんの水が、ある日…。あたりまえにある水の存在を考える。
随感随筆:
この絵本では「水」が題材になっていますが、あたりまえにある「もの・こと」と捉えて読みました。
日々の暮らしの中で、あたりまえにある「もの・こと」は、その大切さに気づきにくくなってしまいがちです。母親が作ってくれる味噌汁や卵焼きなどの手料理、農家の方々が汗水流して育ててくれるお米で炊いたご飯が一番のはずなのに、ついつい珍しいものに心惹かれてしまいます。
故郷や自然もそうです。春夏秋冬その時々に姿を見せてくれる草木や風景で十分愉しめるはずなのに、見慣れない遠くの地に憧れてしまいます。
ちょっとの浮気心はいいと思いますが、それだけに偏ってしまって、本来大切にしないといけないものを見失いがちになることを教えてくれているように思いました。
そのことに気づかせてくれてハッピーエンドで終わるこの絵本は、小さいお子さんにとってとてもいい絵本だと思います。
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