アリー・チャン/作・絵
小栗左多里/訳
発行所:フレーベル館
発行年:2020年2月
出版社からの内容紹介:
みんな一緒に仲良く暮らしていた、赤、黄、青の三つの色。
ある日突然、赤が自分の色が一番だと言い出して、
色たちは別々に住むことになってしまいましたが…。
違いを受け入れ、共生していく大切さを描いた一冊。
イギリスの子どもたちが選ぶ「子どもの本」の賞、チルドレンズ・ブック賞大賞受賞!
大人気『ダーリンは外国人』の漫画家、初の翻訳絵本。
随感随筆:
赤、黄色、青、それぞれ性格の違う三つの色たちが仲良く暮らしていたんですが、ある日突然、赤が「赤が最高!」と言い出します。すると、黄色は言い返し、青は知らん顔。そのため、三つの色たちは別々に住むことになります。
でも、ある日、一人の黄色と一人の青が出会って仲良くなり、いつも一緒にいるようになります。そして、二人のあいだに緑の赤ちゃんが生まれます。それまで黄色と青が仲良くすることに反対していた三つの色たちは、緑の赤ちゃんがかわいくてしかたありません。そして、「もっと新しい色ができるかも?」と、まざりあい、たくさんの色たちができていきます。三つの色たちは、「もう別々に住む必要はないね」と言って、一緒に住むための新しい街作りをはじめます。そして、色とりどりの街ができるというお話です。
作者がイラストレーターということもあって、白黒の背景に色が映え、デザイン画のようです。みているだけでウキウキしてきます。キャラクターもかわいいですよ。
小さいお子さんだったら、三つの色からいろんな色が生まれる不思議さや楽しさを学べるでしょうし、少し大きくなってきたら、他人との関わり合いの大切さ、更には、人種や国境を越えた、人と人とのつながりの大切さなどを学べるかと思います。
数十年も前のことですが、わたしの恩師があるとき、「みんなが国際結婚をするようになれば、戦争なんてなくなって、世界も平和になるのになあ」とおっしゃったことがあります。そのことがこの絵本を手に取ってすぐに、ありありと思い起こされました。
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