ルピナスさんーちいさなおばあさんのお話ー

作/バーバラ・クーニー
訳/掛川恭子
発行所:ほるぷ出版
発行年:1987年10月(第1刷)

出版社からの内容紹介:
ルピナスさんはおじいさんと約束したとおり世界中を旅行して、海辺の小さな家に住み、3つめの約束「世の中を美しくする」ためにすてきな魔法を思いつきました。

随感随筆:
 題名が「ルピナスさん」となっているので、ルピナスは人の名前のように思えますが、実は花の名前。

チョウに似た小花が咲き上がる様子がフジ(藤)を逆さまにしたようで、「ノボリフジ(昇り藤)」とも呼ばれるそうです。

 この絵本の主人公の名前はアリス。アリスは、小さい頃、おじいさんから、遠い国々の話を聞かせてもらっていて、その話が終わるといつも、
「大きくなったら、わたしも遠い国に行く。そして、おばあさんになったら、海のそばの町に住むことにする」
と、答えていました。そんなアリスにおじいさんはこう言います。
「それはけっこうだがね、アリス、もうひとつ、しなくてはならないことがあるぞ」
「なんなの?」とアリスが聞くと、
「世の中を、もっと美しくするために、何かしてもらいたいのだよ」
と。

 自分がやりたいことの他に、何かひとつでもいいから、世のため人のためになることをする。そのことの大切さを教えてくれる絵本だと思います。

*この絵本は2022年1月3日に一度紹介しましたが、ホームページのリニューアルにあわせて読み直し、加筆・修正しました。

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