くろくんとちいさいしろくん

なかや みわ/さく・え
発行所:童心社
発行年:2017年9月
出版社からの内容紹介:
くれよんたちが出会ったのは、まいごになってしまった、ちいさな白いくれよんのしろくん。くろくんたちは、しろくんの仲間をさがしますが、どうしてもみつかりません。「しろくん、きみ、つかれただろう?」くろくんはくれよんの箱の自分の場所を、しろくんにゆずってあげました。仲間がみつからず、元気のないしろくんを、くれよんたちは11 番目の仲間としてむかえいれ、かわいがります。けれどある日、しろくんの仲間たちが、しろくんをむかえにやってきました。親切にしてくれたくろくんたちへ、しろくんは画用紙の上に何かをかいていきました。絵の具をぬると、そこにうかびあがったのは……。

異年齢の子ども同士の交流を描いた、大人気「くれよんのくろくん」シリーズ第4作。こまっている年下の友だちをはげまし助けようとする、くろくんやくれよんたちのやさしい気持ち、成長した姿が描かれていて、最後のしろくんからのメッセージに心があたたかくなります。白いくれよんの画材の特性がストーリーに活かされていて、くれよんや絵の具をつかったお絵かき遊びにも発展できる大人気絵本です。

随感随筆:
 くろくんとちいさいしろくんにはそれぞれ仲間がいるんですが、まいごになったしろくんをくろくんたちは仲間として気持ちよく受け入れます。そして、仲間探しに疲れて休むときなんかには、くろくんは自分が休む場所をしろくんに譲って自分は箱の外で寝るんですね。そのやさしさがじ~んときます。そして、なかなか仲間が見つからないしろくんをくろくんたちは自分たちの仲間に入れてあげることにして、しろくんの居場所を作ってあげたりもします。結局、しろくんの仲間がしろくんを見つけて、しろくんは仲間のところに帰っていくんですが、くろくんたちはしろくんがいなくなったさびしさがありながら、しろくんが仲間のところに戻れたことを喜びます。そして、くろくんたちはこのことで仲間の絆がより深まります。
 思いやりの心を、くれよんという小さい子どもたちには身近な題材でわかりやすく教えてくれていますから、きっと子どもたちの心にいつまでも残るんじゃないかと思いました。

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