文:キャシー・スティンソン
絵:マリー・ラフランス
訳:さくまゆみこ
発行所:小学館
発行年月:2021年7月(初版第1刷)
出版社からの内容紹介:
子どもの本を通して希望の種をまく
戦後、混乱した街中で大きな建物の前に人びとの列を見つけ、少女は、弟の手を引いて建物に入りました。すると、そこにはたくさんの本が並べてありました。そして、ステキな女性と出会います。その人こそ、イエラ・レップマンでした。
イエラ・レップマンは、国際児童図書評議会(IBBY)、世界で初めての国際児童図書館(ミュンヘン国際児童図書館)を創設した人です。
どのようにして、子どもの図書展をスタートしたのかを語ることで、子ども本の大切さを伝えています。
編集者からのおすすめ情報:
子どもの本に関わる人なら、だれもが耳にしたことのあるIBBY、また、ミュンヘン国際児童図書館を創設したイエラ・レップマンの物語です。
ユダヤ人であるイエラは、第二次世界大戦後、混乱したドイツに戻り、子どもたちに希望を与えることこそ大切であると痛感します。
「本」の力を信じ、「本」を通して世界平和を目ざしたのです。
IBBYの支部として活動しているJBBYの会長のさくまゆみこさんが翻訳しています。
随感随筆:
絵本のはじめに、イエラ・レップマンさんからの次のようなメッセージが紹介されています。
「この混乱した世界を正すことを、
子どもたちからはじめましょう。
そうすれば、子どもたちがおとなたちに、
すすむべき道を示してくれるでしょう」ーイエラ・レップマン1945年ー
・・・と。
終戦直後にこのようなことを考えていた人がいたことを知って、まず驚きました。そして、「食べ物と同じように、本も必要」「他の国々から届いた本を見ることによって、子どもたちはお互いがつながっていることを感じるでしょう。戦争がまたはじまらないためにはそれが一番ではないでしょうか。」というメッセージには深い共感を覚えました。
自分が今こうして本の紹介をしていることの、大きな励みになる一冊です。
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