かさじぞう

文・絵:いもとようこ
発行所:金の星社
発行年月:2021年12月 初版発行

出版社からの内容紹介:
おもいやりは めぐりめぐって かえってくる

町に笠を売りに来たおじいさん。ひとつも売れず、とぼとぼ歩く帰り道、雪を積もらせたお地蔵様に大事な笠をあげました。お地蔵様は、お礼にお正月のごちそうを届けます。冬に読みたい、日本むかしばなしの定番です。

町で笠がひとつも売れなかったおじいさん。帰り道、雪を積もらせたお地蔵様に大事な笠をあげました。冬に読みたい、日本昔話の定番!

■□■いもとようこ先生から「あなたへ……」■□■
じいさまはだいじなかさを、おじぞうさまにみんなあげてしまった。それを聞いて、おこりもせず「それはいいことをなすった」というばあさまの言葉……。本当にお手本にしたいですね。

随感随筆:
貧しくとも、困っている人がいたら、我が身をかえりみず助けたいと思い、その行いに対して見返りを求めたり期待しない心。そういった、人としての在り方、他者への思いやりとは?、を、教えてくれるお話だと思います。

おじいさんは、笠を売って、おばあさんに腹いっぱいお餅を食べさせてやりたいと思い、雪を頭にかぶっているお地蔵様を見ると、寒いでしょうと言って気遣います。また、お供えするものが何もなくて申し訳なくも思います。そして、六人のお地蔵様がいらっしゃるのに手持ちの笠は五つしかないため、自分がかぶっている笠を六人目のお地蔵様にかぶせてあげます。

笠をかぶせてもらったお地蔵様たちは、おじいさんとおばあさんに恩返しをしますが、その品は、おじいさんがおばあさんに食べさせてあげたいと思っていたお正月のごちそう。法外なお金とかではありません。この点が、このお話の良さのひとつだと思います。

そして、このお話は、お地蔵様たちがお正月のごちそうをおいて帰っていく姿に、おじいさんとおばあさんが手を合わせてお礼を言っている場面で終わります。

この最後の場面が子どもたちの目に焼き付き、いつまでも心に残るといいなあと思いました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました