はだかの王さま

アンデルセン/作
バージニア・リー・バートン/絵
乾 侑美子/訳
発行所:岩波書店
出版年月:2004年9月

出版社からの内容紹介:
『ちいさいおうち』の作者バートンによる、有名なアンデルセン童話の絵本。すらりとした王さまや、ミュージカルを思わせる美しい展開はバートン流。ほんとうのことをいえない大人たちの姿を滑稽に描きます。

随感随筆:
 周りの人にどう思われているか・・・。そんなことを本当は気にする必要はないんでしょうが、いつの頃からか、気にし始めます。それがこのお話では、身なりであったり頭の善し悪しであったり・・・。
 その人間の心理をうまく利用して、王さまを裸にしてしまう悪者と、愚かな人間と思われたくない一心のお供の者たち。そして、王さままでも、悪者の策略にまんまと引っかかってしまいます。
 物語の最後では、真実がわかっているのにも関わらず、引くに引けなくなった王さまとお供の者たちがパレードを続ける後ろ姿をみると、滑稽さもともなって悲哀すら感じました。
 「自分は絶対こうはならない。」と笑ってすませてしまいがちですが、読み終えてしばらくたつと、そうならないと自信を持って言えない自分がいました<苦笑>。

 「でも、王さまは、なんにも着てないよ!!!」、と、言える大人になりたいものですね・・・。

*この絵本は2021年2月16日に一度紹介しましたが、ホームページのリニューアルにあわせて読み直し、加筆・修正しました。

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