どうぞのいす

作/香山美子
絵/柿本幸造
発行所:ひさかたチャイルド
発行年月:1981年11月第1刷 2010年12月第96刷

出版社からの内容紹介:
 うさぎさんが作った椅子をめぐって次々に繰りひろげられる取りかえっこ。「どうぞ」にこめられたやさしさが伝わってくるロングセラー絵本。

随感随筆:
 「椅子は座るもの」、という自分の頭の固さをまず思い知りました<笑>
 最初に登場するのは、どんぐりがいっぱい入ったかごを背負っているロバ。てっきり、疲れたロバが座るものとばかり思い、「そのあと話はどう展開するんだろう?」と心配に・・・<笑>
 ロバは、かごを椅子において、木の下で一休み。これでこのお話の流れがつかめました。

 柿本幸造さんの絵は、なんともやわらかでほのぼのしていて、絵をみているだけで心がなごみます。

 この絵には、食べ物を持った動物たちが登場しますが、その登場場面に、青い?小鳥も登場します。僕はその小鳥が気になって気になって・・・<笑>

 動物たちは、「どうぞのいす」においてある食べ物を、「どうぞ、食べてください」というふうに受け取ったのか、全部食べてしまいます。でも、全部食べてしまったあと、「あとから来る人がお気の毒」と、かわりに自分が持っていた食べ物を置いていきます。

 その単純な繰り返しではあるんですが、他者への気づかいであったり、思いやりといった心を、その繰り返しの中で、しっかり育ててくれる絵本だと思います。

 うさぎさんが椅子を作ったのは、座るため?、それとも、物を置くため?、なんてことを考えたり、場面毎に登場する青い?小鳥は、幸せの青い鳥をイメージしているのかなあ、なんてことを想像するのは、やはり頭の固い自分だけかもしれません<苦笑>。

*この絵本の紹介は、2022年1月4日に公開したものに加筆し、修正したものです。

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