中山千夏・文
和田 誠・絵
発行所:自由国民社
発行年:2006年4月(第4刷)
出版社からの内容紹介:友達のまりちゃんは目がみえない。それで考えたんだ。「みえない」って どんなかんじかなあって。第11回日本絵本賞受賞、第52回青少年読書感想文全国コンクール課題図書(小学校低学年の部)、長崎県読書感想文コンクール・テーマブック(小学校中学年の部)
随感随筆:
この絵本の主人公は「ひろくん」。体が段々と動かなくなる病気のため、電動車いすに乗っています。そんなひろくんが、相手の立場に立って相手を思うことの大切さを教えてくれます。そして更には、相手のマイナス面ではなく、プラスの面を見つけ出す視点を持つことの大切さをも教えてくれているように思いました。
この絵本には、障害を持った子どもたちが登場しますが、著者のあとがきにもあるように、私たちみんなそれぞれが、何かしらの問題や悩みを抱えていると思います。そして、それを表には出さず、心の中にしまっている。そういった他者の立場を推し量り、思いやる気持ちを育ててくれる絵本だと思います。
障害を持っていても明るくふるまうひろくん。でも、「動けるって、どんな感じかなあ」という最後のつぶやき。また、親を亡くしているきみちゃんが親がいないことに対して、「そうでもないよ」と答える場面は、さすがに切ない思いがしました。
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