ナイチンゲール「看護」はここからはじまった

村岡花子/文
丹地陽子/絵
発行所:株式会社講談社 青い鳥文庫
発行年:2020年8月
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随感随筆:
 ナイチンゲール。名前はよく知ってるが、はて? どんな人だったか。看護師さんで、貧しい人たちのために尽力されたのかなあ、なんてことを思いつつ、この本を手に取りました。
 まず最初に驚いたのは、上流階級の人で、裕福な家庭で育ったこと。何不自由なく育てられたにもかかわらず、6才の頃になると、「わたしは幸福ではない」と思うようになったそうです。
 上流階級での華やかさに一時期は惹かれながらも、一方で、それは自分が真に求めているものではないという思いの中で、葛藤します。そして、様々な困難を乗り越え、看護師の道へと進みます。
 看護師といっても、彼女が働いたのは、いわゆる「街」の病院ではなく、「戦場」でした。戦争が行われているところに行って、傷ついた兵士たちの看護をしたのです。それは献身的な看護で、寝静まった病棟をランプを持って巡回する姿は、「ランプを持ったレディー」「クリミアの天使」とも呼ばれ、ある兵士のひとりは、「わたしたちは、まるで天国にいるような気持ちです」と言ったそうです。
 世界ではじめて、看護師養成学校を造ったのもナイチンゲールです。当時、彼女の国では、看護師は女性の職業の中で一番評判が悪く、いやしいものとされていたそうです。ふつうなら、そんな仕事には就きたくないと思いますが、彼女はそうではありませんでした。それはおそらく、看護を受ける病人の立場に立った思いやりによるものだと思います。
 この本を読みながら、「なぜ彼女は、看護の道を志したのだろう」という点が気になっていたんですが、本の最後にある「解説」で、自分なりに納得できました。
 財産、権力、社会的地位を持つ人たちは、社会的な責任や義務が伴う、という考え方があり、ボランティア活動や慈善事業を行うというのが一般的なんだそうです。ナイチンゲールも子どもの頃、母親に連れられて、村の貧しい人たちや病気の人たちを見舞い、施しをしていたそうです。子どものときの経験・体験というのがいかに大切かということを改めて感じました。

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