雪の女王

原作:ハンス・C・アンデルセン
文/陶板画:南塚直子
発行所:小学館
発行年月:2023年10月(初版第1刷)

出版社からの内容紹介:
 アンデルセン童話の代表作。
 悪魔が、いたずらで魔法の鏡をつくりました。その鏡のかけらが砕け散り、不幸が世界中にまき散らされました。カイも、氷の魔法をかけられて心を冷たく閉ざしてしまいます。そして、雪の女王に連れ去られてしまいました。仲よしだった少女ゲルダは、突然いなくなったカイを探す旅に出ました。

 大切な人のために何があってもあきらめない愛と勇気の物語。

編集者からのおすすめ情報 :
美しい陶板画が物語の世界を魅力的に表現しています。これまでにないアンデルセンの世界です。

南塚直子さんから陶板画の絵本について:
 『雪の女王』の原画は陶板の絵でできています。陶板の絵とは、陶土の板を作り、その上に針で絵を描き、素焼きした後、釉薬や絵の具をのせて焼いたものです。この原画は1200度で焼きました。
 『雪の女王』を陶板の絵にしたのは、雪の表現に白い釉薬がぴったりだと思ったから。けれども『雪の女王』の絵はとても細かく、土に描くのは難しい作業でした。
 窯の神さまに祈りながら完成した『雪の女王」を、楽しんでいただけると幸いです。

随感随筆:
 童話というだけあって絵本としては文章が長いように思えるんですが、それがスラスラと読めて自分でもびっくり。物語の展開が面白いのはもちろんなんですが、陶板画の温かさというかやさしさが相まって、その内容が心に伝わってきました。
 ハッピーエンドのこの物語。途中、魔法使いのおばあさんや山賊の娘があらわれてドキッとしますが、どちらも良い人だという展開でホッとします。辛いことや困難なことがあっても、それを助けてくれる人がいる。乗り切ることができる。そしてそれは本人の心がけしだいだということを教えてくれる絵本だと思います。

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