皇帝にもらった花のたね

作・絵：デミ
訳：武本佳奈絵
発行所：徳間書店
発行年月：２００９年４月（初版）、２０１７年７月（４刷発行）

出版社からの内容紹介：
むかし、皇帝が国じゅうの子どもたちにおふれをだしました。種を受けとり、大切に育て、一年後に見せにきた者の中から世継ぎをえらぶ、と。花を育てるのが大好きな男の子ピンは、誰よりもきれいな花をさかせるぞ、と世話をしますが…？　緻密に描かれたイラストが魅力の、愛らしく味わい深い絵本。

随感随筆：
　今も昔も、子どもたちはみんなピンのような心を持っていると思います。しかし、大人になっていく中で社会の様々な矛盾を目の当たりにしながら、しだいにその純粋な心が失われてしまいます。
　そんな中、ピンのお父さんはその純粋な心を持ち続け、ピンを正しい道へと導き、ピンはそのお父さんの心を素直に受け止めます。
　皇帝の前に空の植木鉢を差し出すということは子どものピンにとってはとても勇気のいることだったと思いますが、きちんと本当のことを言えたことは立派でした。
　「嘘も方便」「正直者が馬鹿を見る」と言われることの多い世の中であるとは思いますが、ピンやピンのお父さんのような心を大人になっても持ち続けたいものです。
　この絵本は、正直であることが一番！ということを教えてくれました。