カールはなにをしているの?

作/デボラ・フリードマン
訳/よしい かずみ
発行所:BL出版
発行年:2020年8月
出版社からの内容紹介:
ミミズのカールは、くる日もくる日も土をほり、かれ葉をたべ、食べては出してをくりかえしています。
ある日、野ネズミにどうしてそんなことをしているのかとたずねられ、こたえをさがす旅にでました。
でも、ウサギやキツネ、リスなど、誰にきいてもわかりません。
そのうち月日はながれ・・・・・・。
カールは、こたえを見つけられるでしょうか。
私たちの身の回りによくいるミミズ。
どんな生き物にも役割があり、どんな命でも大切な意味があることを、あたたかなストーリーと絵で描いた、やさしい科学絵本。
5歳くらいから楽しめます。

随感随筆:
この絵本は、ミミズの生態に着目し、生物学や科学の絵本として読める一方、わたしたちが社会の中で果たす役割を考えるきっかけにもなる絵本であると感じました。
主人公のミミズのカールは、休むことなく土を掘り、枯れ葉を食べ、食べては出してを繰り返していることに、ある日疑問を抱きます。「どうしてぼくは土を掘っているの? 誰のため、何のため?」と。そしてカールは、その行為をやめたことによって、答えを見つけます。
小さいお子さんでしたら、「ミミズってすごいんだね」という理解だけでもいいと思いますし、ミミズに限らず、身の回りのちょっとした自然にも興味・関心を持つきっかけになるといいですね。
少し年齢が上がって、例えば、「どうして僕(私)は勉強するんだろう? それは誰のため、何のため?」というような壁にぶつかったとき、それを乗り越える手助けとなるような絵本だと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました