作:アレックス・ラティマー
訳:風木一人
発行所:小学館
発行年月:2024年10月
出版社からの内容紹介:
カエル最高! 自己肯定感を高める絵本
卵でうまれたゴドフリー。
それからオタマジャクシになって、足がはえて、手もはえて、舌がのびて――カエルになりました。
次は何が起こるんだろう? どんな変身が待っているんだろう?
楽しみにするゴドフリーですが、待っても待っても、なんにも変わりません。
ほかの生き物たちは、みんな格好いい「何か」を持っているのに。
もしかして、このままずーっと、カエルのまんま?
落ち込んだゴドフリーですが、やがて“あること”に気づいて……。
〈 編集者からのおすすめ情報 〉
鮮やかな色彩が特徴的な、世界中で大人気の絵本作家アレックス・ラティマーによる絵本です。
卵で生まれたゴドフリーが、オタマジャクシになり、カエルに成長していく過程で、自分と他人の違いに気づき、悩み、自分が“素敵な”存在だと認めていきます。
「あの子は足が速い」「あの子は絵が上手」「なのに自分は……」と悩む経験は、誰にだってあるはず。
さあ、ゴドフリーと一緒に「自分、最高!」と前向きな気持ちになっていきましょう!
随感随筆:
この絵本を読んでいて、すぐ頭に浮かんだのは、
「みんなちがって、みんないい」
調べてみると、金子みすゞさんという童謡詩人による一節でした。
わたしが両手をひろげても、
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥は私のように、
地面(じべた)をはやくは走れない。
わたしがからだをゆすっても、
きれいな音はでないけど、
あの鳴るすずはわたしのように、
たくさんなうたは知らないよ。
すずと、小鳥と、それからわたし、
みんなちがって、みんないい。
(『金子みすゞ詩の絵本 みすゞこれくしょん わたしと小鳥とすずと』金の星社より)
金子みすゞさんの生涯を知ることで、胸に込み上げてくるものがあり、涙がこぼれました。
『ゴドフリーはカエルだよ』とこの詩を合わせて味わうことによって、この絵本の良さが深まると思います。
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