カピバラがやってきた

作:アルフレド・ソデルギット
訳:あみの まきこ
発行所:岩崎書店
発行年月:2022年8月(第1刷)

出版社からの内容紹介
*「今月のプレゼントのコーナー」『22年8月新刊★カピバラがやってきた』より:

こざっぱりした鳥小屋でくらしていたニワトリたち。
食べものはたっぷり、のんびりした毎日。
そこへ、とつぜんカピバラがやってきました。

毛ぶかくて、びしょぬれで、ずうたいの大きいカピバラたち。
「こまります!かえってください」とニワトリたち。
でも、カピバラたちは、うちへ帰れない事情があったのです。

狩猟の季節になり、カピバラたちはハンターに狙われていました。
カピバラとニワトリ、これからどうなるのでしょう?

もともとその場所に暮らしていたニワトリと、よそからやってきたカピバラ。
移民と移民を受け入れる側の話にも解釈できる、他者との共生を描いたお話です。
世界14か国以上で翻訳出版、スペインの出版社から刊行されたウルグアイの作家の絵本。

*YouTube(動画)でも紹介されています。
https://youtu.be/XY2VNnD3bCE

随感随筆:
 モノトーンを基調にした絵本なので、表紙の一枚などは、ちょっと恐いと感じるぐらいでした。また、カピバラのセリフは無く、ニワトリのセリフもほんの少しです。しかし、そのほうが却って絵に集中でき、カピバラとニワトリの心の声が聞こえてくるように感じました。
 そして、最初に抱いたちょっとした恐怖感はいつの間にか消え、最後の数枚の場面はほのぼのとして温かみさえ感じました。
 最後のほうの場面では、ニワトリの小屋が空っぽになってしまっていて、一瞬何か悪いことでも起こったのかとドキドキしながらページをめくりましたが、それは杞憂に終わり、最後の一枚では、カピバラとニワトリに羊が加わり、最後なのにこれからまた物語が始まるような、そしてその物語はきっと楽しいものであると予感させてくれます。

 子どもたちの心に残る一冊です。

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