ちいさいおうち

バージニア・リー・バートン/文・絵
石井桃子/訳
発行所:岩波書店
発行年:1965年12月(第1刷)、1998年11月(第43刷)、2019年11月(改版)

出版社からの内容紹介:しずかないなかに、ちいさいおうちがたっていました。やがてどうろができ、高いビルがたち、まわりがにぎやかな町になるにつれて、ちいさいおうちは、ひなぎくの花がさく丘をなつかしく思うのでした――。時の流れとともに移りゆく風景を詩情ゆたかな文章と美しい絵でみごとに描きだしたバートンの傑作絵本。(2019.11改版)

随感随筆:
田舎には田舎の、そして、都会には都会の良さがありますが、若いときはどうしても都会に憧れます。自分自身もやはりそうでした。考え方が自己中心的で、周りのことが見えていなかったように思います。
わたしが青年海外協力隊に参加し、ふるさとを離れるとき、祖父が空港まで見送りにきてくれたんですが、見送った後の帰路の途中、食事をしながら、泣いていたそうです。そのことを最近になって知り、涙がこみ上げてきました。結局、在任中に祖父は亡くなり、最期に言葉を交わすことはできませんでした。ふるさとで祖父母や家族と暮らしながら、最期を看取ってあげたかったと悔やまれます。
十数年前にふるさとに戻り、今は都会に戻りたいとは思いません。もっと早くこのことに気がつけば良かったと思うこともありますが、後悔先に立たず、ですね。
この絵本では、のどかな田園風景のもとで季節の移り変わりを感じながら家族と暮らすことの良さを教えてくれます。この絵本を読んだ子どもたちがふるさとや田舎で暮らし、心豊かに、そして家族と一緒に幸せに過ごしてくれることを願います。

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