としょかんライオン

ミシェル・ヌードセン/さく
ケビン・ホークス/え
福本友美子/やく
発行所:岩崎書店
発行年:2007年4月

出版社からの内容紹介:
いつも静かな図書館にライオンが現れ、みんな大あわて。でも心やさしいライオンは、すぐにみんなと仲良しに。ところがある日…。深い感動を呼び世界で話題の絵本。

この絵本を読んで:
図書館には図書館の決まり事があります。例えば、大きな声は出さない、走ってはいけない、などです。
そんな図書館が舞台のこの絵本。ある日、いつもの静かな図書館にライオンが入ってきます。驚いた図書館員のマクビーさんは、館長のメリウェザーさんのところに慌てて報告に行きます。
決まり事にうるさい館長は、ライオンが決まり事を守っているかどうかをマクビーさんに尋ね、特に守っていないということではないようなので、そのままにしておくことにしました。
ライオンはお話の時間が始まると、子どもたちと一緒にじっと聞いています。しかし、お話の時間が終わったことを知ると、思わず大きな声で吠えてしまいました。
大声を出したことで、「静かにできないなら、出て行ってもらいます」と館長に叱られ、悲しそうにうなるライオン。そこで、小さな女の子が、「静かにするって約束すれば、明日もお話の時間に来ていいんでしょ?」と館長にお願いをします。館長はライオンをみつめ、「静かにできる、お行儀のいいライオンなら、もちろん明日も来ていいですよ」と言いました。子どもたちは大喜びです。
ライオンはよほど嬉しかったのでしょう。次の日から、お話の時間が始まる前に、館長のお手伝いをします。そして次第に、言われなくてもいろいろなお手伝いをするようになりました。ライオンのことを怖がっていた人たちもだんだんと慣れ、人気者になっていきます。

そんなある日、高いところにある本を取ろうとした館長が脚立から落ち、倒れて動けなくなってしまいます。マクビーさんを呼んできてほしいと館長から頼まれたライオンはマクビーさんのところに行き、そのことを必死で知らせようとしますが、大声を出してはいけないため、館長のいる部屋の方に鼻を向け、「くいん、くいん」と鳴くしかありません。

ところが、マクビーさんは知らん顔。もうこうなったら、方法は一つしかありません。ライオンは今まで生きてきた中で一番大きな声で吠えました。

決まりを守れなかったライオンは、次の日から図書館に来なくなりました。図書館に来る人たちも寂しそうです。そして、館長もどこか寂しそうにしています。

館長の気持ちを察して、マクビーさんはライオンを探して回ります。なかなか見つからず、図書館に戻ってみると、雨に濡れ、入り口の扉をしょんぼりと見つめているライオンを見つけました。そこで、マクビーさんはライオンに、こう声をかけました。

「あのう、ご存じないかもしれませんが、図書館の決まりが変わったんですよ。大声で吠えてはいけない。ただし、ちゃんとしたわけがあるときは別。つまりその、怪我をした友だちを助けようとするときなど、ってことですけどね」と。

すると次の日、ライオンが図書館にやってきました。

そのことを知った館長さんは、椅子から飛び上がると、思わず、駆け出します。

マクビーさんは、にやっとして、館長に、「走ってはいけません!」と声を掛けましたが、館長には聞こえませんでした。

子どもたちをはじめ、図書館に来ている人たちみんな大喜び。逆立ちをしている子もいます。そして、ライオンに抱きついている館長。ライオンもとっても嬉しそうです。そんな場面で物語は終わります。

決まり事や約束は本来ならば、守らなければならないことです。理由があるからと言って、簡単にそれを破っていい訳はありません。

大事なことは、決まり事や約束を破ったさい、そのことを頭ごなしに叱ったり怒ったりするんじゃなく、なぜ守れなかったのかをよく聞いてあげることだと思います。そして、その理由をちゃんと聞いてあげた上で、判断をするということが大事なんだと思います。何がよくて何が悪いのか、一概には言えませんが、叱るほうも叱られる方もどちらも納得できる解決策を見つけようとする姿勢を持ちたいですね。

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