はだかの王さま

アンデルセン/作
バージニア・リー・バートン/絵
乾 侑美子/訳
発行所:岩波書店
出版年:2004年9月

出版社からの内容紹介:
『ちいさいおうち』の作者バートンによる、有名なアンデルセン童話の絵本。すらりとした王さまや、ミュージカルを思わせる美しい展開はバートン流。ほんとうのことをいえない大人たちの姿を滑稽に描きます。

 バートンが絵本化したアンデルセンの有名なお話「はだかの王さま」。
はだかの王さまときくと、なぜかでっぷり太った姿を思い浮かべますが、バートンの王さまは、すらりとした気品のある王さま。本全体が、ミュージカルの舞台を見るような美しい展開です。
 1949年の作品ですが、これまで入手できる原書は印刷の状態があまりよくありませんでした。アメリカのホートン・ミフリン社が。オレゴン大学に所蔵されていた原画をあらためて撮影する機会に恵まれ,新版としてよみがえりました。
ぜひ一度、手にとってご覧ください。

訳者からのメッセージ:
 この本は、『ちいさいおうち』の作者バージニア・リー・バートンが、アンデルセンの有名なお話に絵をつけたものです。アンデルセンの王さまは、かなりおばかさんですが、バートンの描く王さまは、少しおばかさんぐらいです。心やさしく、みえっぱりではあっても、王さまの都の人々は楽しく暮らしているのですから、ほんとうはいい王さまなのです。
 すみずみまでユーモアにとんだ絵と、ゆかいでありながら、だいじなことの語られるお話。何度もページをめくりなおしては、そのたびに新しいお気に入りの場面を見つけ、読み終えると、なぜかとてもしあわせな気持ちになっている、こんな絵本を私はほかに知りません。
 バートンさんのお父さまはこのお話がすきで、子どもたちによく読んでくれたそうです。そのときの彼女のしあわせな気持ちが、本の中からあふれてくるようです。

この絵本を読んで:
新しい服がなによりも好きで、きれいに着飾るためなら、時間もお金も、少しもおしいとは思わない王さま。毎日、一時間ごとに服をかえるぐらいです。
ある日、とても頭のいい悪者二人が王さまの元にやってきます。自分たちは、この上なく美しい、素晴らしい模様の布を織ることができると言うのです。しかも、それは魔法の布で、この布で作った服は、役目にふさわしくない者や、ひどく愚かな者には決して見えず、賢くて、役目にふさわしい者だけが見えると言いました。

そこで王さまはこう考えます。

「それは素晴らしい。そんな魔法の布で新しい服を作らせれば、私の家来のうちで、誰がその役目にふさわしいか、誰が利口で、誰が愚かなのか、たちまちにわかる」と。

悪者の口車にまんまとはまってしまった王さま。そして、王さまをはじめ、家来の者たちも、自分のことを愚か者とか、役目にふさわしくない者だとか、思われたくないために、ありもしない物を、「素晴らしく美しい!」と、ほめるしかありません。

ついには、その二人の悪者に、機織り名人と名乗ることを許し、勲章までも授けます。

そしていよいよパレードのはじまりです。

沿道に集まった人々にも、もちろん服などは見えていないのですが、誰もそのことを口に出すことはできず、それどころか、王さまの服をほめたたえます。

そこに、ひとりの小さい子どもが、「でも、王さまは、なんにも着てないよ!!!」と言いました。そして、その子のお父さんも、「子どもは、本当のことを言いますね」と言い、それは、ひそひそと、口から口へ伝えられていきます。そして、とうとう、都じゅうの人が声をそろえて、

「でも、王さまは、なんにも着てないよ!!!」と叫びます。

王さまも、人々が言っていることは、本当のことだとわかってはいるのですが、引っ込みがつかず、裸のまま、パレードを続けていくという場面で終わります。

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